カウンターの製作
春の岩見沢。今年のゴールデンウィークは寒く、件の流行病もあって録画した古い映画や本とコーヒーでぬくぬく籠りたい。だが、タイヤ交換をはじめとして物置の片付け、庭の雑草と戯れるほか、やることはたくさんある。
進行中の居間改装、これもどんどん作業が増えていて全く終わる気配がない。入れ替えたソファとテレビ台に押し出された机を2階に運び、和室にい草の敷物をひく。ただ、家具の配置をシンプルにした分、雑然とした小間物が目立ってしまったようだ。
家人は言う。「2階に持っていった机の代わりになるカウンターと収納庫が欲しい」と。見せられたのはスマホに映るニトリアプリの春レイアウト提案。
なるほど、壁一面の腰くらいの位置に木のカウンターと素敵な椅子、そしてカウンターの横にはカラーボックスが整然と並んでいる。確かに収納力は高そうだし、椅子はテレビ台に変身中なので考えるにしても、製作に必要となる工作スキルは低そう。まあ時間もあるし、という事で今回はカウンターを作ることにした。
さて、カウンターといっても机の代わりになる堅牢な板を壁一面に取り付けるのは、なかなかの力仕事。
まずはサイズ測定。一枚板の長さは壁のサイズで3メートル弱ほど必要、ただ、壁にネジが効く場所あるのかしら。手で壁をゴンゴン叩いて音が低くなる場所を探す。拳の皮が剥けてきた頃、中間地点に2箇所ほど柱がありそうだと分かった。まあ、なんとかなりそうなので早速近所のホームセンターに移動する。さて、このホームセンターの奥には業者かマニアしか興味を持たないと思われる4メートル程の一枚板が売られている。あたりを見廻し出来るだけガッチリ体型の店員に声をかける。そして二人掛かりでレジに運ぶと共にカットをお願いする。そして、こんな長い板は機械で計測できないからやりたくない、という店員をなだめすかしつつ、なんとか切ってもらった。いつもワガママですまんね。
そして他にも必要な沢山の部材とフロントガラスギリギリになんとか入った板を自宅に持ち帰り作業開始。
まだ、細部と塗装ができてないけど、なんとか完成。例のように製作状況は写真のコメントにて。思ったより素敵にできました。
まずはいつも通りのざっくり設計する。左の飛び出たところは調理補助台とのこと。
4メートルを超える板は萌える…。しかしカットする店員には眉間にシワを寄せて難色を示される。
貸出トラックは午後まで空いてないとのことで,自家用車に無理やり詰め込む。やればできる何事も。これで運転して帰った…。
機械で測らなくても、壁幅にピッタリ!さすがベテラン店員。今度は優しくしてやろう。
色々と細かな材料も買ってきた。実はこの日、ホームセンターに何度も足を運んだ。場当たり的DIYはこんなもんだ。
仮合わせ風景、壁下の廻し板(後に「幅木」はばきということが判明)が邪魔。切ってしまうか、板を重ねて回避するか思案中。
また板を買ってきた。側面は板を重ねて廻し板を回避することにした。壁にはビス穴以外のダメージを与えないことにした。
調理補助台付近は強度が心配なので脚をつける。出来合いの脚は高いけど楽々。ロクロ加工のカッコいいやつもあったけど高価でむり。
廻し板の切り欠きをつけた
ここにも切り欠きをつけて天板を受ける横の棒を受ける。
おお!ぴったり。
高さもぴったりだ。そうそう、壁にはマジックであちこちに印をつけてしまったので、結局原状回復には壁紙の張り替えが必要となる。
調理補助台は少し高さをつけようとしてみた。
組んでみた。左の調理補助台が蕎麦打ち台のようでカッコ悪いとクレームあり…。
やはり、シンプルなコの字型のカウンターにする。脚を用意する。
こんな感じかな。金具で補強したし大丈夫だろう。
穴開けて、ビスを打ってー、測ってを繰り返し、何とか完成かな。
全景はこんな感じ。塗装はまた今度。疲れたー。
テレビ台最終章
週末のビルトイン最終編。
今日は早起きしたので、接着剤が乾燥して組みあがったビルトインテレ…(やっぱり、まだ長いので以下、「BTS」とする。)を車庫に運んで塗料を塗る。
むう、ミルキーホワイトとは艶消しの白だったのか、もっとクリームっぽい色だと思っていたのに…。まあ、いいか。
そして乾かしている間に、図面から扉のサイズを計算して図にして、近場のガラス屋さんへ車を走らせる。そう昨日から扉をどうするか調べていたのだけれど、ググールさんが言うことには「ガラス扉が意外に簡単らしいぜ」とのことだ。
ガラス屋さん、早く着きすぎて、まだ閉まっているかと思ったけど、中には明かりがついており、誰かいるみたい。事務所風のところに「こんにちはー」と声をかけると、しばらく経って奥からおばさんが出てきた。「どうしました?」と怪訝な顔をされて、あまり一般人は買いにこないのだろうなあと思いつつも「いや、あの、ガラスを買いに。」というと「どんな?」と間髪入れず質問が返ってくる。
どう説明すれば良いかと少し迷っていると「何に使うの?」と言われたので「家具の扉をつけたくて、あのサイズとか言えばいいですか?」と聞くと「…そうね、サイズと厚みね」。
さっき計算したサイズの図を渡す、「うーん…」とおばさん。「今日中には出来上がらないけどいいかしら…」実は岩見沢市内のガラス店はどこも、今年の大雪により修繕依頼で立て込んでおり、ここの職人も全て出払っているそうな。残念…でも仕方ないよなぁ、と思っていたら、おばさん唐突に「あら、帰ってきたわ!」と言った。
職人さん、何かの道具を取りに寄ったようだったが、おばさんの強引な押しにより急遽チャチャっとガラスを切ってくれることになりました。「タイミングよかったわね〜」と言いながらおばさんはレジを叩く。お代は取付金具込みで2200円、金具は古いので500円でいいよとの事。うれしい。
お金を払って待ってる間、作業場を覗いてみる。ガラスを切るところを見るのは小学校ぶり(昔はどこの学校にも修繕専門のおじさんがいたのです)。作業場では初老の職人さんが小さなガラス切りを使い、昔と同じく手切りしていた。職人さん一人だけの静かな作業場で、小さく繊細な「チー」という音だけが流れる。真剣な表情で、大きなガラス板から一枚を切り出していく職人さんを見ているうちに、なんか厳粛な雰囲気に少し緊張してしまった。職人さんは、出来上がったガラスを渡す時に初めて笑顔を見せて「ありがとうございました」と言った。なんか、こちらこそありがとうだった。
ガラス板を大事に持ち帰り、塗料が乾燥したBTSに取り付ける。そしたら完成!ガラス扉は、ググールの言うほど簡単ではなかったけど、なんとか形になったかな。悪戦苦闘の様子は写真のコメントをご確認ください。なんとか今週でビルトインする事ができました。
はじめてのミルキーホワイト。ただのつや消し白だった。これなら、もっと安い塗料あったなぁ〜。
ガラス扉用に8mmの穴を開ける。小さなドリルが欲しい。
穴に扉の受け具を入れる。
ついでに受け棚のダボをつけよう。
ダボの埋め込み完了
あとはガラス扉をつけるだけ〜、とこの時は思っていた…。
ガラスに金具を取り付けて。さっきの穴に差し込むと、あれ、ガラスが大きくてギリギリ入らないー泣
原因はこの受け具、この数ミリの厚さが想定外だった…oTL
リーマーとか、でかいドリルで少し削るだけでいいのかもしれないけど、そんな道具持ってない。これだけのために買いたくないので、カッターで削る。ガタガタだけど、もういいや…。
付いたっ!カッターでついた傷は、後で白い色を塗ってゴマかす作戦。 そしてマグネットキャッチャーをつけたら…。 完成ー!そして… 椅子に、ビルトゥー… イン!ー 完成ですー。
テレビ台その三
週末のビルトインテレビボード・サマータイムリミテ…(以下、長いので省略)の続き。さて、前回の適当な設計図を握りしめ、朝早くから近所のホームセンターに出かけます。あ、まだパジャマだった…。
さて、ホームセンターに到着、まずは木材売り場へ。
木材はネットでサイズと価格を調査済みなので、今回は迷わずお目当ての木材を担いでレジへ向かう。
レジ付近では何故かお年寄りが鈴なり。園芸の時期には早いはずなのだが、高枝切りバサミとかチェンソーを持って、団体で談笑している。これ、一人くらい幽霊がいても保護色で気がつかないな、とひとりニヤニヤする。
さて、ようやく木材を購入できたので、加工コーナーのおじさんにカットを依頼する。およそ15分かかるというので、その間に塗料を探そう。いつもだとナチュラルな感じに仕上げるのだけど「これ以上、木目の家具が増えると重苦しい」と家人がいうもので、今回は熟考のうえ、ミルキーホワイトにしてみた。頭の中で出来上がりを想像する。むむ、白と木目は意外と合うのだ!…と思う、たぶん。
そして、カット代を払って木材を車に積み込んだ。さあ帰ろう。
*カットした木材たち
*早速接着した。電子レンジのオモチャみたい。
テレビ台そのニ
困った困ったと言いつつテレビ台を探す日々が続く。なかなか決まらない原因は、夏限定で使うにも関わらず、それなりの見栄えと機能性を求めると、そこそこの価格になってしまうことが釈然としないからだ。
しかし、いつまでもテレビを床に置いて置くわけにはいかず、とりあえずの代用品を家の中で探す、そして見つけた。
一部の方はご存知かもしれないけど、以前木工DIYした椅子を置き台として据えてみた。
この椅子はイームズ…いや旭川家具、キャ…、ん〜誰だっけ…とにかく世界的に著名な家具屋を標榜、インスパイア、いやオマージュして作製した素晴らしいと自己評価の高ーい椅子なのだが、残念ながらひとつだけ欠点があった。それは「非常に座りにくくて腰が直ぐに痛くなる」こと。椅子としてかなり致命的だ。とりあえず基本は置き台なので、天板に今はなき札幌東急ハンズで買った桜の無垢板を並べてみる。
おお、良い感じではないか。桜の天板が少し長いけど、これは長さを合わせて切ってしまえば良いので、全く問題なし。あとは最近2,680円で手に入れたブルーレイレコーダーの棚が必要だな、でも折角作った椅子を傷つけてしまうのは惜しい…冬にはまた必要なくなるし。そんな事をいろいろ考えて、椅子にビルトインする事で夏だけテレビ台となる「ビルトインテレビボード・サマータイムリミテッドエディション・バイ・イームズ」を考案する。
という事で、当然のように次回に続く。言っては見たものの困った笑。期待は禁物…。
テレビ台その一
うーん、困っている。
25年間使った居間のソファ入れ替えにより、居間の模様替えをすることになった。いまの課題はテレビ台。
居間のデッドスペースとなるコーナーに置けるテレビ台を調達してこいと。なお、この手の案件は私の担当となるらしい。
・居間に設置するためそこそこ見栄えすること
・費用は出来るだけ安価に抑えること
・収納庫は最小で小ぶりなものがよい
・扉は必須、掃除が大変だから
・下も掃除したいので足がついているタイプがよい
・色はライトな木目か壁に合わせて白
・ルーターとかも入れたい
・電源が集約されていたい
・その他云々…
上記の要件においては、審査者の評価観点及び重み付けの公開はいたしません。また、要件は提案内容により、必須として取り扱わない場合もありますので、今後の利用状況を鑑み、よりよいご提案としてください。なお、当該提案内容によっては、今回の調達を見合わせることもありますので、ご了承ください。
…この提案競技、参加辞退はできないものか。
本当に困っている…。
三千櫻 彗星55
久しぶりに日本酒レビュー。
たまにふらっと会社帰りに寄る大丸デパートさんで日本酒の「三千櫻」(ミチザクラ)を発見。つい購入してしまいました。店の方いわく、蔵元に注文して今日ようやく入荷したとのこと。
この酒蔵は、北海道上川郡東川町の公設民営、遠く岐阜県で一世紀を超える歴史ある「三千櫻酒造」が建物の老朽化により北海道に新天地を求め、移転後新たに酒造りをはじめた、と昨年末にテレビのドキュメントで放映していました。
元々の蔵は日本全国にファンがいるようで「よりによって日本酒の不味い北海道かよ」という人も恐らくいると思うのですが、近年の北海道は事情が変わり、北海道がこれまでの北海道と、ちと違うのですぞ、と話は膨らみそうですが、まず、この三千櫻はどうかです。
一言で言うとこれまでの北海道で味わったことのないバランス感。決して辛口ではないですが、道産米彗星の55%精米らしくスッキリとした甘さと上品な吟醸香、そこに生酒のまろやかさがあって、アルコール15度でもそこそこな切れ味と誠に上手。これまでの歴史を感じさせる、岐阜で培った流石熟練の飲み口かなと。
大丸さんには、北海道の彗星45%、きたしずくの45%、岐阜の地元米と思われる愛山60てのもありました。興味しんしん。
三千櫻酒造さん、本当にようこそ北海道へ。特色のある日本酒蔵が増えて、これからが、とても楽しみです。
純米吟醸「三千櫻 彗星55」
久しぶりに日本酒レビュー。
たまに会社帰りで寄る大丸デパートさんで日本酒の三千櫻を発見。つい購入してしまいました。店の方いわく、蔵元に注文して今日ようやく入荷したとのこと。
この酒蔵は、北海道上川郡東川町の公設民営で、遠く岐阜県で一世紀を超える歴史ある「三千櫻酒造」が、建物の老朽化に際し北海道に新天地を求め、移転し新たに酒造りをはじめた、と昨年末にテレビのドキュメントで放映していました。
元々蔵は日本全国にファンがいるようで「よりによって日本酒の不味い北海道かよ」という人も恐らくいると思うのですが、近年の北海道は事情が変わり、北海道がちと違うのです、と話は膨らみそうですが、まず、この三千櫻はどうかです。
一言で言うとこれまでの北海道で味わったことのないバランス感。決して辛口ではないですが、道産米彗星の55%精米らしくスッキリとした甘さと上品な吟醸香、そこに生酒のまろやかさがあれど、アルコール16度のそこそこな切れ味で誠に上手。これまで歴史を感じさせる流石に岐阜で培った熟練の飲み口かなと。このほかに北海道は彗星の45%、きたしずくの45%、岐阜の地元米と思われる愛山60てのもありました。興味しんしん。
三千櫻酒造さん、本当にようこそ北海道。特色のある日本酒蔵が増えて、これからが、とても楽しみです。
秋田の銘酒、雪の茅舎と飲み比べ。いずれも、もう好みの問題というレベルの高さ。
北海道で旨い日本酒の飲める幸せ。毎年いろんな形でチャレンジしてくれると嬉しいなあ。