newolds’s diary

古いものや新しいこと、趣味のはなし

六話 書蔵

矢之助という若侍は、綿谷がいなくなるとわかりやすく虚勢を張り、仁吉に顎を振ると「ついてこい」と言った。仁吉も思いのほか簡単に書蔵に入れることとなり、神妙な顔(そうは見えていないが)をしながら矢之助について行った。書蔵は奉行所の敷地の一番端に立っており、古い建物で今にも崩れるのではと思われた。「さて、到底全てを一日では無理であろうが、綿谷様も認める片付け上手とのこと、手腕を見せてもらおうか」と矢之助が書蔵の扉を開けて入っていくのを後に続くと、真っ暗でしめっぽく、強いかびの匂いが鼻をつく。人一倍夜目が効く仁吉でさえ足元がよく見えぬ暗さなのだから、前を行く矢之助は「いたたっ」とあちらこちらにぶつかりながら歩いていく。中はとにかく書き付けだらけで、一体どこに何があるのだか、全くわからない。柱に何やら文字が書かれた紙が貼ってあるが、よく見ると暦が記されているようで、年代別には分かれているようだ。奥に進んでいくと、明かり取りの窓があるのか、明るく少し広くなっており、そこに狭い小上がりがあった。

この書蔵で明るいのはこの場所だけなので、古い書面を調べるときはここで見るのだというようなことを、矢之助は言って「奥から順に新しくなっておるのだが、同心どもは探して必要のない書面をここに持って来ると、読んだあと、そこに放置していくので、山になっておるのだ。まずはこれを元に戻ることから始めるとよい」と言った。聞くと分類は年代と通路より右は解決したもの、左は未解決のものであるらしい。それにしても未解決の書面が多いこと。未解決であるが故、一つの事件に関わる書き付けが多いということか。矢之助は面倒そうに、書き付けの最後に大きく判を押してあるのが解決済み、ないのが未解決だといい、拙者は忙しいのであとは頼んだぞと言い残し去って行った。

さてと、積まれて大きな山となった書き付けを横目に仁吉はふうっとため息をついた。5年前の押し込みの書き付けなど、この中から探すとしても、簡単なことではない。そもそも押し込みだと色分けされてる訳でもなければ、どんな押し込みの書き付けだかもわからない。書棚に腰掛けて仁吉が困っていると、奥の暗いところに何者かの気配がした。なんだと目を凝らしても暗くて見えないのだか、人じゃないことは間違いない。仁吉にしか見えない何かがモゾモゾと這うように近づいてくる。「誰だ」と仁吉は近づいてくる何かに声をかけた。そのモノは「探し物があるというのはお前か」と子供のような甲高い声で答えた。「お前は誰なんだ」と仁吉が問うと、近づいてきたそれは「なんとっ、人間だとは驚いた」と言った。仁吉の近くまで来るとそのモノの姿は、長い髪が顔というか小さな体全体を包んでおり、やけに鼻が長いのか顔あたりからペロンと飛び出している。仁吉はこれは一体なんなのだと思いながら「何の用だ」と聞くと「この姿を見ても驚かぬ人間がおるとは驚いた。吾は命ぜられたから来たのだ。お前が望む書き付けを探してやれとな」と言った。「あの女にか」と仁吉が問うと「女だと」と驚いた風な毛むくじゃらなそれは甲高く気味の悪い笑い声をたてた。「あのお方を女などと軽々しく呼ぶのはお前だけじゃ、あな恐ろしい。」と言った。「それはそうと人間などに使われる日が来るとは思わなんだ、お前の名は何だ、何と呼べばよいのだ。」と聞く妖に仁吉は自分の名を教えてやった。その時何か妙な感じを背中に受けた気がしたが、毛だらけのものは「吾のことは〈ショチ〉と呼べ」と言った。

ショチはまた、ゆっくりと腹ばいになりモゾモゾと戻り始め「さあ、どんな書き付けを探しておるのだ、吾がすぐに見つけてやろう。」と言った。

仁吉は器用に這って進むショチに後ろから付いて行きながら「わからんのだ、あの女には5年前の押し込みだとしか聞いていない。」と言った。ショチは「何んと」と振り返り、ジッと仁吉の方を窺っていたが「なんだ知っておるではないか」とにべもなく言って、また動き出した。

仁吉はなにが何だかわからなかったが、なにも答えず付いていったところでショチが止まった。

「ここが5年前の書き付けだ、それでどんな書き付けだ」と改めてショチは言った。仁吉は「だから聞いていないのだ」と言った時に目の前に書き付けの姿が浮かんだ。書き付けは透明な形でふわりと目の前に浮かび、そこに書いてある文字もはっきりと読み取れた。書き付けには「明暦十八年 太田屋日中押し込み火付の調べ」と書いてあった。仁吉はショチに目の前に見えている文字を伝えた。ショチは「何だ、そんなものでよいのか。おやすい御用だ。」と言った。

ショチはまた腹ばいになりモゾモゾと奥の方へ動きだした。仁助は後をついて行きながら、意外に素早い動きをするショチを後ろから眺めて驚いていた。そのうち動きが止まり「仁吉、お前の探している書物はこの一番下にある。」と言った。

おそらく未解決であろう、探す書き付けは、棚に棚が積み上がり、一等盛り上がった右側の塊にあるようだ。しばらく、どのように取り出すものか悩んでいると「困っておるな、わしが取ってきてしんぜよう。」とショチは言った。ショチはスウと立ち上がると、驚く仁吉を尻目に棚の細い隙間を巧みににすり抜け、髪の隙間から鳥のくちばしのような細く長い手を二本出して、大量の書き付けをおそるべきスピードで振り分け始めた。

部屋の中が書き付けを選別するパサパサッという連続音で満ちた。一定のリズムで流れる音に仁吉は驚きを忘れふと眠くなったが、ショカを見ると作業を続けながらも、髪の中から細く鋭い目で仁吉の方をじっと見ているのがわかりゾッとする。ああ見えても妖であろうことを忘れかけていた自分を反省する。

バタバタという音がスッと止まり「見つけたぞ。」という声がした。ショカは一冊の書き付けを手に持ち、仁吉のところへ戻ってきた。そして書き付けを仁吉に渡しながら、こう言った。「これで約束はかなえたな。」。

仁吉は「ああ、助かった。」というとショカは「そうか、そうか、仕事が終わったか。」と嬉しそうに言った。探し出した書き付けを手にして、入り口へ向かう仁吉に「まだ褒美を貰っていないぞ。」とショチは声を掛けた。仁吉が振り返るとショチは急に立ち上がり、その姿がどんどんと縦に伸び始めた。唖然とした仁吉がショチを見ていると、とうとうショチは仁吉の背を越し、梁にぶつかるのではないかというところまで伸びて止まった。ショチの長い髪の下には長い女の顔が出現し、その口からはこれまた長い牙が生えている。顔の横から細い手と短い蟹の脚らしきものが生えており、鬼面のような姿が現れた。

形を変えたショチが言った。「あの方から頼まれたのは、書き付けを探してくれということだけ。その後のことは、特になにも言われなかったのだ。そして願い事にはお供えが必要なのだ。」仁吉はショカの様相に驚いたが、これは拙いなとゆっくり後退りを始めた。

ショカは大きな牙が生えた口を開くと真っ赤な舌を出して、ベチャベチャと気持ちの悪い音をたてた。

ショチは急に「そこにおれ、仁吉」と大声で叫んだ。仁吉は急に身体が重くなり、動けなくなった」。ショチは「名は大事なものじゃ、軽々しく教えると命を取られることになる」と言うと、甲高い金切り声とともに粘体のよだれのようなものを吐きながら、仁吉に近づいてきた。

仁吉は動かない足を、腕で叩いた。動けと念じたが力が入らない。もうダメかと思った時に、胸の奥で熱を感じた。その熱はドンドンと熱くなり、火傷でもするのではないかと思うほどになった時、少しだけ身体が軽くなった気がした。足に力を入れると微かに動いた。手足にグイと力を込めて無理やりに動かすと、身体をようやく動かす事ができた。よろよろと入り口に向かって這いずるように仁吉は逃げ出した。ショチは「お前は名を縛られたのに何故動けるのだ」と不思議がりつつも、さらにスピードを上げて仁吉に近づいてくる。

仁吉はふらふらと立ち上がるも足元も覚束ない様子で、入り口に向かった。仁吉のすぐ後ろにはジョボジョボとよだれのような気持ちの悪い音を立てながらショチが迫る。入り口まであと少し、と仁吉が思ったとき、ショチが吐いたよだれに滑り、体勢を崩した。身体を支えようと書架に伸ばした手も虚しく、斜めになっていく視界にショチが映る、これまでかと諦めかけた時、仁吉の背中を支えるものがあった。それはなんとも優しく強い手だった。

暗く埃臭い空間に声が凛と響く「これはどう言うことだい。」仁吉はおりょうに背を支えられており、気づくと重かった身体はすでに元どおりになっていた。ショチの方を見るとすでに先の化妖ではなく、元の小さな妖の姿に戻っており、さらに小さくなったようにおりょうの前に伏している。「お前にはこんな事を命じてはいないはずだけどねぇ」とおりょうが言うと「この人間には望み通り書き付けを見つけて渡しております。さらなる申し付けがなかった故、人間は久しぶりで…つい」とショチが弁解した。「まだ鬼のつもりでいるなら、いつでも彼方に戻っていいんだよ」。おりょうの言葉にショチはガタガタと震えだすと「お許しください。もう人間を喰らおうなどといたしませぬ」と泣いているような小声で身体を床にすり付けた。

おりょうは「仁吉、此奴は書き物に取り憑かれたただの鼠だったのだけれど、鬼と縁を持ったことでその昔は書鬼などと呼ばれておったのだ。私の庇護を受け、鬼の気を切ったのでもう大丈夫だと思ったのだが、昔の血が騒いだようだ。」と言った。

「ショチ、罰として、お前はこれからもこの仁吉の役に立つように。傷をつけてはいけないよ。」おりょうの声にショチはいっそう身体を小さくして「仰せのままにいたします。」と言った。仁吉はショチに「書蔵をもっと片付けておけ」と捨て台詞を吐き、おりょうとともに外へ出た。

五話 奉行所

翌日、仁吉はあの女「おりょう」の言葉どおりに呉服橋の見慣れた場所に立っていた。「奉行所か…」思わず呟きが漏れる仁吉の前には、与力の綿谷も勤める北町奉行所があった。

「あんたもよく知ってるあの男、与力の綿谷って言ったかい。あの男を訪ねて、5年前の押込みについて書きつけがあるだろうから見せて欲しいと言うんだ。5年前の書きつけったって、沢山あるだろうけど、そこは判るようにしとくさ。まずはそこからだね。」。おりょうは昨日、仁吉の目をじっと見ながらこう言って、何かを小さな声で呟いたと思ったらふと消えた。

綿谷との付き合いは長いとはいえ、仁吉から綿谷を訪ねたこともなければ、面倒な命令をされるのはこちらばかりで、お願いごとなんぞしたこともない。しかも押し込みの書きつけなんて、たかが岡っ引き風情が奉行所の中を彷徨くことができるとも思えねえ。奉行所に保存してある書きつけは膨大で、いくらどれか判るようにしとくって、どうやって。仁吉は頭を抱えたが、これが手始めだってんだから、やるだけやってみるかと腹を括った。

町奉行所は閑散としており、何かの事件で皆出払っているのかと思われたが、玄関にいた顔見知りの同心に声を掛け、与力の綿谷を呼んでもらうと、と、奥からすぐに顔を出した。綿谷はびっくりとした表情を隠しもせず「一体何があったんだ。お前が俺を訪ねて来るなんて」と言った。あまりにも普通の反応で仁吉は一瞬笑いそうになったが、堪えてこう言った。「滅多に顔を出さないあっしが綿谷様にどうしてもお願いしたいことがあって参りました。」仁吉は綿谷に、連続小指切取り殺人の件で調べたいことがある、そのために古い5年前の書き付けを見せてもらいたいということを説明した。綿谷は真面目な顔をして「どうも言ってる事がよく分からねえが、いつも悪党を捕まえるお前の感ってやつも、そもそもわかんねえもんだからなぁ」と呟きながら、「まあ、この俺がいいと言えば、いいんだが、流石に奉行所の中を勝手に彷徨かせるわけにもいかねえ。」と言った。やっぱり無理かと思った仁吉に「お前暇なら、今日一日書き付け整理の手伝いをしろ」と綿谷は言った。毎日毎日のことで、これまでの書き付けが、書面方の蔵でびっちり折り重なってる。いずれなんとかしなきゃならねえんだ。暇そうで力のありそうなお前にはぴったりな仕事だ」と決め付けて、奥に向かって叫んだ「おい、矢之助はおらんか。さっきよい日和に船を漕いでおったが、どこに行った」。やおら矢之助と呼ばれた若侍が「なんの御用でございましょう」とバタバタ走りながら現れた。綿谷は矢之助に「あの蔵の酷いことはどうだ、昔の書き付けを探そうにも探しようがないではないか。お主、急ぎなんとかしろ」と言った。矢之助は困った顔で「あのような状態となったのは、私ども書面方のせいではござりません。同心連中が探し物と言っては、取り出したものを元の場所に戻さず、それが何年も続き、このような惨状となっておるわけです。」と不満そうな顔を隠さずに言った。綿谷は「わかっておる、しかし誰かがやらねば、結局困るのは街に暮らす人々ではないか。今日はそんなことから、この男を連れてきたのだ。この男は整理整頓についてはそれは見事な手腕を持っておる。そしてとても働きもんなのだ。そうだな仁吉」急に水を向けられて仁吉は噴きそうになったが、いつもの怖い顔を崩さず「綿谷様の命により、書き付けの片付けをさせていただきたく」と願った。

矢之助は「お前は仁吉というのか。綿谷様がそこまで言われるなら、書き付けの整理をやらせても良いぞ」と若侍なりの虚勢を張って言ったものの、仁吉の怖い顔を恐れているのは見え見えであった。綿谷は仁吉に向かい「一生懸命働くのであるぞ。」と言いながら目配せし立ち去った。

カウンターの製作

春の岩見沢。今年のゴールデンウィークは寒く、件の流行病もあって録画した古い映画や本とコーヒーでぬくぬく籠りたい。だが、タイヤ交換をはじめとして物置の片付け、庭の雑草と戯れるほか、やることはたくさんある。

進行中の居間改装、これもどんどん作業が増えていて全く終わる気配がない。入れ替えたソファとテレビ台に押し出された机を2階に運び、和室にい草の敷物をひく。ただ、家具の配置をシンプルにした分、雑然とした小間物が目立ってしまったようだ。

家人は言う。「2階に持っていった机の代わりになるカウンターと収納庫が欲しい」と。見せられたのはスマホに映るニトリアプリの春レイアウト提案。

なるほど、壁一面の腰くらいの位置に木のカウンターと素敵な椅子、そしてカウンターの横にはカラーボックスが整然と並んでいる。確かに収納力は高そうだし、椅子はテレビ台に変身中なので考えるにしても、製作に必要となる工作スキルは低そう。まあ時間もあるし、という事で今回はカウンターを作ることにした。

さて、カウンターといっても机の代わりになる堅牢な板を壁一面に取り付けるのは、なかなかの力仕事。

まずはサイズ測定。一枚板の長さは壁のサイズで3メートル弱ほど必要、ただ、壁にネジが効く場所あるのかしら。手で壁をゴンゴン叩いて音が低くなる場所を探す。拳の皮が剥けてきた頃、中間地点に2箇所ほど柱がありそうだと分かった。まあ、なんとかなりそうなので早速近所のホームセンターに移動する。さて、このホームセンターの奥には業者かマニアしか興味を持たないと思われる4メートル程の一枚板が売られている。あたりを見廻し出来るだけガッチリ体型の店員に声をかける。そして二人掛かりでレジに運ぶと共にカットをお願いする。そして、こんな長い板は機械で計測できないからやりたくない、という店員をなだめすかしつつ、なんとか切ってもらった。いつもワガママですまんね。

そして他にも必要な沢山の部材とフロントガラスギリギリになんとか入った板を自宅に持ち帰り作業開始。

まだ、細部と塗装ができてないけど、なんとか完成。例のように製作状況は写真のコメントにて。思ったより素敵にできました。

f:id:newolds:20210518073758j:plain

まずはいつも通りのざっくり設計する。左の飛び出たところは調理補助台とのこと。

f:id:newolds:20210518073843j:plain

4メートルを超える板は萌える…。しかしカットする店員には眉間にシワを寄せて難色を示される。

f:id:newolds:20210518073919j:plain

貸出トラックは午後まで空いてないとのことで,自家用車に無理やり詰め込む。やればできる何事も。これで運転して帰った…。

f:id:newolds:20210518073948j:plain

機械で測らなくても、壁幅にピッタリ!さすがベテラン店員。今度は優しくしてやろう。

f:id:newolds:20210518074024j:plain

色々と細かな材料も買ってきた。実はこの日、ホームセンターに何度も足を運んだ。場当たり的DIYはこんなもんだ。

f:id:newolds:20210518074102j:plain

仮合わせ風景、壁下の廻し板(後に「幅木」はばきということが判明)が邪魔。切ってしまうか、板を重ねて回避するか思案中。

f:id:newolds:20210518074741j:plain

また板を買ってきた。側面は板を重ねて廻し板を回避することにした。壁にはビス穴以外のダメージを与えないことにした。

f:id:newolds:20210518074820j:plain

調理補助台付近は強度が心配なので脚をつける。出来合いの脚は高いけど楽々。ロクロ加工のカッコいいやつもあったけど高価でむり。

f:id:newolds:20210518074919j:plain

廻し板の切り欠きをつけた

f:id:newolds:20210518075038j:plain

ここにも切り欠きをつけて天板を受ける横の棒を受ける。

f:id:newolds:20210518074953j:plain

おお!ぴったり。

f:id:newolds:20210518075306j:plain

高さもぴったりだ。そうそう、壁にはマジックであちこちに印をつけてしまったので、結局原状回復には壁紙の張り替えが必要となる。

f:id:newolds:20210518075339j:plain

調理補助台は少し高さをつけようとしてみた。

f:id:newolds:20210518075412j:plain

組んでみた。左の調理補助台が蕎麦打ち台のようでカッコ悪いとクレームあり…。

f:id:newolds:20210518075450j:plain

やはり、シンプルなコの字型のカウンターにする。脚を用意する。

f:id:newolds:20210518075521j:plain

こんな感じかな。金具で補強したし大丈夫だろう。

f:id:newolds:20210518075609j:plain

穴開けて、ビスを打ってー、測ってを繰り返し、何とか完成かな。

f:id:newolds:20210518075703j:plain

全景はこんな感じ。塗装はまた今度。疲れたー。

テレビ台最終章

週末のビルトイン最終編。

今日は早起きしたので、接着剤が乾燥して組みあがったビルトインテレ…(やっぱり、まだ長いので以下、「BTS」とする。)を車庫に運んで塗料を塗る。

むう、ミルキーホワイトとは艶消しの白だったのか、もっとクリームっぽい色だと思っていたのに…。まあ、いいか。

そして乾かしている間に、図面から扉のサイズを計算して図にして、近場のガラス屋さんへ車を走らせる。そう昨日から扉をどうするか調べていたのだけれど、ググールさんが言うことには「ガラス扉が意外に簡単らしいぜ」とのことだ。

ガラス屋さん、早く着きすぎて、まだ閉まっているかと思ったけど、中には明かりがついており、誰かいるみたい。事務所風のところに「こんにちはー」と声をかけると、しばらく経って奥からおばさんが出てきた。「どうしました?」と怪訝な顔をされて、あまり一般人は買いにこないのだろうなあと思いつつも「いや、あの、ガラスを買いに。」というと「どんな?」と間髪入れず質問が返ってくる。

どう説明すれば良いかと少し迷っていると「何に使うの?」と言われたので「家具の扉をつけたくて、あのサイズとか言えばいいですか?」と聞くと「…そうね、サイズと厚みね」。

さっき計算したサイズの図を渡す、「うーん…」とおばさん。「今日中には出来上がらないけどいいかしら…」実は岩見沢市内のガラス店はどこも、今年の大雪により修繕依頼で立て込んでおり、ここの職人も全て出払っているそうな。残念…でも仕方ないよなぁ、と思っていたら、おばさん唐突に「あら、帰ってきたわ!」と言った。

職人さん、何かの道具を取りに寄ったようだったが、おばさんの強引な押しにより急遽チャチャっとガラスを切ってくれることになりました。「タイミングよかったわね〜」と言いながらおばさんはレジを叩く。お代は取付金具込みで2200円、金具は古いので500円でいいよとの事。うれしい。

お金を払って待ってる間、作業場を覗いてみる。ガラスを切るところを見るのは小学校ぶり(昔はどこの学校にも修繕専門のおじさんがいたのです)。作業場では初老の職人さんが小さなガラス切りを使い、昔と同じく手切りしていた。職人さん一人だけの静かな作業場で、小さく繊細な「チー」という音だけが流れる。真剣な表情で、大きなガラス板から一枚を切り出していく職人さんを見ているうちに、なんか厳粛な雰囲気に少し緊張してしまった。職人さんは、出来上がったガラスを渡す時に初めて笑顔を見せて「ありがとうございました」と言った。なんか、こちらこそありがとうだった。

ガラス板を大事に持ち帰り、塗料が乾燥したBTSに取り付ける。そしたら完成!ガラス扉は、ググールの言うほど簡単ではなかったけど、なんとか形になったかな。悪戦苦闘の様子は写真のコメントをご確認ください。なんとか今週でビルトインする事ができました。

f:id:newolds:20210516210505j:plain

はじめてのミルキーホワイト。ただのつや消し白だった。これなら、もっと安い塗料あったなぁ〜。

f:id:newolds:20210516210608j:plain

ガラス扉用に8mmの穴を開ける。小さなドリルが欲しい。

f:id:newolds:20210516210649j:plain

穴に扉の受け具を入れる。

f:id:newolds:20210516210808j:plain

ついでに受け棚のダボをつけよう。

f:id:newolds:20210516210843j:plain

ダボの埋め込み完了

f:id:newolds:20210516210921j:plain

あとはガラス扉をつけるだけ〜、とこの時は思っていた…。

f:id:newolds:20210516210951j:plain

ガラスに金具を取り付けて。さっきの穴に差し込むと、あれ、ガラスが大きくてギリギリ入らないー泣

f:id:newolds:20210516211024j:plain

原因はこの受け具、この数ミリの厚さが想定外だった…oTL

f:id:newolds:20210516211100j:plain

リーマーとか、でかいドリルで少し削るだけでいいのかもしれないけど、そんな道具持ってない。これだけのために買いたくないので、カッターで削る。ガタガタだけど、もういいや…。

f:id:newolds:20210516211214j:plain

付いたっ!カッターでついた傷は、後で白い色を塗ってゴマかす作戦。 f:id:newolds:20210516212029j:plain そしてマグネットキャッチャーをつけたら…。 f:id:newolds:20210516212108j:plain 完成ー!そして… f:id:newolds:20210516212142j:plain 椅子に、ビルトゥー… f:id:newolds:20210516212241j:plain イン!ー 完成ですー。

テレビ台その三

週末のビルトインテレビボード・サマータイムリミテ…(以下、長いので省略)の続き。さて、前回の適当な設計図を握りしめ、朝早くから近所のホームセンターに出かけます。あ、まだパジャマだった…。

さて、ホームセンターに到着、まずは木材売り場へ。

f:id:newolds:20210516205206j:plain

木材はネットでサイズと価格を調査済みなので、今回は迷わずお目当ての木材を担いでレジへ向かう。

f:id:newolds:20210516205348j:plain

レジ付近では何故かお年寄りが鈴なり。園芸の時期には早いはずなのだが、高枝切りバサミとかチェンソーを持って、団体で談笑している。これ、一人くらい幽霊がいても保護色で気がつかないな、とひとりニヤニヤする。

さて、ようやく木材を購入できたので、加工コーナーのおじさんにカットを依頼する。およそ15分かかるというので、その間に塗料を探そう。いつもだとナチュラルな感じに仕上げるのだけど「これ以上、木目の家具が増えると重苦しい」と家人がいうもので、今回は熟考のうえ、ミルキーホワイトにしてみた。頭の中で出来上がりを想像する。むむ、白と木目は意外と合うのだ!…と思う、たぶん。

そして、カット代を払って木材を車に積み込んだ。さあ帰ろう。

f:id:newolds:20210516205437j:plain

*カットした木材たち

f:id:newolds:20210516205543j:plain

*早速接着した。電子レンジのオモチャみたい。

テレビ台そのニ

困った困ったと言いつつテレビ台を探す日々が続く。なかなか決まらない原因は、夏限定で使うにも関わらず、それなりの見栄えと機能性を求めると、そこそこの価格になってしまうことが釈然としないからだ。

しかし、いつまでもテレビを床に置いて置くわけにはいかず、とりあえずの代用品を家の中で探す、そして見つけた。

一部の方はご存知かもしれないけど、以前木工DIYした椅子を置き台として据えてみた。

f:id:newolds:20210516203941j:plain

この椅子はイームズ…いや旭川家具、キャ…、ん〜誰だっけ…とにかく世界的に著名な家具屋を標榜、インスパイア、いやオマージュして作製した素晴らしいと自己評価の高ーい椅子なのだが、残念ながらひとつだけ欠点があった。それは「非常に座りにくくて腰が直ぐに痛くなる」こと。椅子としてかなり致命的だ。とりあえず基本は置き台なので、天板に今はなき札幌東急ハンズで買った桜の無垢板を並べてみる。

f:id:newolds:20210516204046j:plain

おお、良い感じではないか。桜の天板が少し長いけど、これは長さを合わせて切ってしまえば良いので、全く問題なし。あとは最近2,680円で手に入れたブルーレイレコーダーの棚が必要だな、でも折角作った椅子を傷つけてしまうのは惜しい…冬にはまた必要なくなるし。そんな事をいろいろ考えて、椅子にビルトインする事で夏だけテレビ台となる「ビルトインテレビボード・サマータイムリミテッドエディション・バイ・イームズ」を考案する。

f:id:newolds:20210516204233j:plain

という事で、当然のように次回に続く。言っては見たものの困った笑。期待は禁物…。

テレビ台その一

うーん、困っている。

25年間使った居間のソファ入れ替えにより、居間の模様替えをすることになった。いまの課題はテレビ台。

居間のデッドスペースとなるコーナーに置けるテレビ台を調達してこいと。なお、この手の案件は私の担当となるらしい。

・居間に設置するためそこそこ見栄えすること

・費用は出来るだけ安価に抑えること

・収納庫は最小で小ぶりなものがよい

・扉は必須、掃除が大変だから

・下も掃除したいので足がついているタイプがよい

・色はライトな木目か壁に合わせて白

ルーターとかも入れたい

・電源が集約されていたい

・その他云々…

上記の要件においては、審査者の評価観点及び重み付けの公開はいたしません。また、要件は提案内容により、必須として取り扱わない場合もありますので、今後の利用状況を鑑み、よりよいご提案としてください。なお、当該提案内容によっては、今回の調達を見合わせることもありますので、ご了承ください。

…この提案競技、参加辞退はできないものか。

本当に困っている…。